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2015/09/04

岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」とNHK「”終戦”知られざる七日間」

玉砕とは別の未来を想像するのは難しい。だけど過去には参照すべき未来がある。いまさらだけど岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」をみた。なんて素晴らしい映画なんだろう。無駄の全くない映画だった。これは義務教育で必ず見せたほうが良い。日本はああやって「具体的に」戦争を終わらせたのだ。日本の勝ち得た今はギリギリの綱渡りで手に入れたものだと「実感させられた」(理屈としての了解ではなく)。その後録画していたNHKの「”終戦”知られざる七日間」をみた。玉音放送までの24時間が「日本のいちばん長い日」だとすると、玉音放送後の7日間の話だ。日本中の兵士たちが玉音放送で鉾を納めたわけではなかった。それまで南支では勝利しか無かった。だから敗戦など寝耳に水で信じられなかったと言う。玉音放送を聞いても「これは天皇陛下の本意ではない」と思ったそうだ。実際戦闘をやめていない。そんな日本が8/22に武装解除されるまでの「具体」を、ご高齢の生存者の声なども集め、検証した素晴らしい番組だった。「具体」だった。学校の歴史がだめなのは「具体」が欠けているからだ。そこにあるのは「理屈としての了解」でしかない。そのやせ細った理屈を、映画や演劇は豊かな「具体的現実」に引き戻し人々に突きつけることができる。脚本というのはややもすると痩せた理屈に加担する。太った現実の呼び水となるようなそんな本が書きたい。荒戸さんに岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」の話をした。荒戸さんもあの映画には衝撃を覚えたそうだ。封切時にみた荒戸さんは福岡の高校生だった。俳優が素晴らしいと荒戸さんは言った。本当にそうだ。鈴木貫太郎の笠智衆、阿南惟幾の三船敏郎、畑中少佐の黒沢年男、佐々木武雄大尉の天本英世。一平卒の敬礼の仕方まで理屈を超えた具体がそこにある。

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