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2011/12/17

「学生版」構想2つの「きっかけ」

まもなく「日本の問題」学生版が始まります。

で、こういう演劇の公演では、当日パンフなる無料の印刷物がご来場いただいたお客さまに配られるのですが、当然、小劇場版学生版を束ねる「日本の問題」総合プロデューサーとしては、文章の掲載を求められるわけです。

で、書いたんですが、「長すぎです」とダメ出しが来たんで削りました。

削ったんですが、削ったらわけわかんなくなったかもしれないので、長文バージョンをここに載せておきます。

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「総合プロデューサーごあいさつ」

僕が何故そもそも「日本の問題」なる企画を思いついたかについてはすでに方々で口にしている。
 
手短に言うと、2010年の暮れに僕がぼんやりと「みんな普通に政治のことを話題にし始めているなあ」と感じたことが大きい。主として、非実在青少年の話をみんなが口にしていた。若者が口にしやすい話題であったこともあるだろう。いわゆる党派性とは違うところで、僕らが「僕らの日常」として「政治」を語ることができるような時代がやってきているのかもしれない。そういう期待が僕に演劇で政治や社会問題をやろうという「日本の問題」のコンセプトを思いつかせた。で、小劇場8劇団をあつめた「日本の問題」なる公演をやろうと思うに至った。

  → 小劇場版「日本の問題」については・・・ここをクリック
 
しかし、「小劇場版」で止まらずに「学生版」も行おうと思った「きっかけ」は主に2つある。
 
ひとつには、都知事選である。
 
みんな都知事選があったことなど忘却しているかもしれないが、本年4月に会った都知事選では、ツイッターなどでの圧倒的な現職石原都知事批判の大きさにもかかわらず、蓋を開けてみれば、石原慎太郎の圧勝に終わった。反現職候補が統一できずに票が割れてしまったことも大きいが、現職圧勝と言う結果に対してもっとも重要なのは、反対票を投じるはずであった20代の若者が投票に行かなかったことだと僕は思っている。
 
ちなみに僕自身は石原慎太郎(というか副知事の猪瀬直樹)を支持している。だからイチ都民としてはこの結果には満足している。が反対しているお前ら若者はそれでいいのかという気持ちが止められない。
 
ちょうど都知事選のあった4月10日の夜、僕はフライヤーの素敵写真を撮ってくれた所幸則さんの家に伺っている。その帰り道、渋谷の桜並木の下で、酔っぱらった若者たちが花見をしていたのだが、こっちも酔っ払いついでに話しかけた。「お前らちゃんと都知事選行ったのか?」返ってきた答えは「都知事選って今日だったの?(笑)」そして「選挙なんかじゃ何にも変わんないっすよ(笑)」もちろん、一人一票が世界を変えるなんてことを信じてはいない。だが「選挙なんかじゃなんも変わらん」ということの肯定と、選挙以上の物を発明しようとしない怠惰とが組み合わさって僕らの今の問題はあるのじゃないか?一番「現在」に対しての反対勢力であるべき若者が「選挙なんかじゃなんも変わらん」なんてヒネタ言い方で現状を肯定してはいけないのじゃないか。若者=学生の本当の思いを、本当の叫びを聞きたい。そう思ったのが学生版を行おうと思った「きっかけ」の第一である。
 
そしてもうひとつ。

学生版をやろうと思った「きっかけ」は、学生版とりまとめの最大の功労者である酒井一途くんの存在である。
 
酒井くんは彼が高校生の時に出会っている。DULL-COLORED POPの主宰谷賢一氏につれられて飲み会の場に酒井くんが現れた。その物腰の低さとは別の野心あふれる向上心にちょっと嫌な感じがして連絡先交換を断ったのを覚えている。若き日の三島由紀夫はこんな感じだったんじゃないか。そう感じた。僕は大の三島好きだが、少年の頃の三島は慇懃無礼、自信家だったり野心家だったり、その裏腹の臆病だったり、めんどくさく嫌な奴だったのだろうと思うが、そんな感じを酒井君には感じた。が、その後、縁あり折に触れ酒井くんと話す機会を多く持った。彼の中にある迷いや理想や善なる物を目の当たりにした。善なる物が脅えを媒介にして悪に堕するのはアナキン・スカイウォカーの物語を参照すればよく分かる。だから僕はオビ=ワン・ケノービたろうと決意した。僕をきっかけとして、酒井くんが、その生来から持っている善なる物を自信を持って発揮できるようになれば、これは日本演劇界の未来にとって、はたまた日本の未来にとって、これほど喜ばしいことは無いのじゃないだろうか。そう思って、僕は酒井くんに学生版をやらないかと持ちかけたのであった。
 
そして実際、酒井くんは僕の期待をはるかに超えた行動力と構想力で学生版を取りまとめるに至った。見る人が見れば驚きの6劇団を選定しまとめたのはひとえに彼一人の力だ。坂手洋二氏と鐘下辰男氏へのインタビューを敢行したのも彼の力だ。また小劇場版8劇団の紹介の美しさは彼の筆による。これを経験に彼が日本の演劇界になくてはならない構想力豊かなプロデューサーになってくれることを願っているし、またそれは可能だろうと思う。「選挙なんかじゃなんも変わらん」という意見は構想力の無さを露呈している。いま日本に不足しているのは構想力とそれを実行する行動力である。そう思っている僕からすると、酒井一途くんこそ、日本の未来を構想するにふさわしい若者ということになる。その彼のプロデューサーデビューを後押しできたことが今僕にとっての何よりの幸福である。
 
とは言うものの内輪の事情とは別に、粛々と本番は始まり、作り手の思いとは関係なく、観客の皆さまの感想はシビアに決定されていく。それしかないしそれでいいと思う。だから芝居を見終えた後は率直なご意見をお聞かせください。それが酒井くんや僕、はたまたは日本の演劇界、さらには遠く日本や世界を、良い方向に導いてくれるだろうことを疑いません。今日は、ご来場いただきまして誠にありがとうございました。

小劇場版&学生版「日本の問題」プロデューサー 松枝佳紀

ぜひぜひ、コリッチの「観たい」に叱咤激励のお言葉をください!
→ ここをクリック

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「小劇場版 日本の問題」
http://nipponnomondai.net/students/index.html

これは、青学、桜美林、慶應、日芸、明治、早稲田、6大学の学生劇団がそれぞれ「日本の問題」と思うことを演劇にし競い合うというオムニバス公演である。

(公演場所)
渋谷ギャラリー・ルデコ4F

(参加団体)
3劇団づつ、A、B、2班に分かれます。 
【A】声を出すと気持ちいいの会(明大)、ミームの心臓(慶應)、四次元ボックス(日芸)
【B】荒川チョモランマ(早大)、思出横丁(桜美林)、劇団けったマシーン(青学)

(公演スケジュール)
2011年12月
21日(水)13:00【A】/16:00【A】/20:00【B】
22日(木)13:00【B】/16:00【B】/20:00【A】
23日(金)13:00【B】/16:00【A】/20:00【A】
24日(土)13:00【A】/16:00【B】/20:00【B】
25日(日)13:00【A・B】6劇団連続公演

(料金)
前売券1800円/当日券2000円
学生割引(要学生証提示):1500円
学生版A+Bグループのセット券:3000円

(チケット予約)

携帯からの予約はこちらをクリック!





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(参考)
『学生版日本の問題』公式WEB SITE
http://nipponnomondai.net/students/index.html
『日本の問題』公式ブログ
http://blog.nipponnomondai.net/
上記公式ブログでは、劇作家・演出家の坂手洋二氏に学生版主宰が話を伺いに行ったレポートが掲載中。今後、鐘下辰男氏との対談記事も掲載予定です。広汎にわたった話題で熱く語り合っています。ご興味のある方はご覧ください。

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2011/12/06

「日本の問題」小劇場版終了、その先へ

1年をかけて制作してきた「日本の問題」ですが、昨日ついに小劇場版千秋楽を迎えることができました。

ご来場いただいた皆さま、応援し続けていただいた皆さまには本当に感謝しています。

(今後の参考のためによろしければご感想などをCoRichなどにお寄せ下さい。→コリッチ

 

僕が言いだしっぺで始まった「日本の問題」。

8作品もの愛すべき作品が誕生しました。

畸形だけれども生きようと必死に未来に手を伸ばした8作品、愛して下さってほんとうにありがとうございます。

生まれた彼らは作家の中でさらに成長し、次の新しい創作を生み出す種になることと思います。

経済とH、Mrs.fictions、DULL-COLORED POP、風琴工房、ミナモザ、アロッタファジャイナ、ろりえ、JACROW

「日本の問題」に参加した8劇団の今後の活動をぜひぜひ見守ってやってください。

「日本を演劇で変える」

なんて旗印の下に集まった劇団たちですから、今後の活動が普通であっていいわけではないので、参加した8劇団は責務としてずうっとこれからも「日本の問題」と格闘し続けることになるだろうと思っています。

そしていつの日か本当に日本を変える日が来るだろうと信じています。

 

と、「日本の問題」小劇場版は以上を持って終了です。

終了なのですが、「日本の問題」、この企画自体はまだ終わりません。

12月21日から25日までの5日間、渋谷のギャラリールデコで「学制版 日本の問題」が開催されます。

「小劇場版」は50歳から24歳までの作家たちの作品であったのですが、「学制版」は23歳から19歳と言う若き作家たちの作品群です。

なにが違うって「若い」ってことです。

若いって、それだけで単純に凄い。

もちろん僕らも未来を作るわけだけれども、彼らはもっともっと先の未来を作る。

その未来を作る彼らの作品がどんなものであるか。

これに興味を持たない人はいないんじゃないでしょうか。

そして「小劇場版」8作品だけでなく「学生版」6作品をみて、はじめて今回のイベント「日本の問題」は完成する気がします。

だいたい学生劇団を6劇団もまとめて1日でみることのできる企画ってないだろうし、しかも、それぞれ「日本の問題」なんて共通のお題を与えられているわけだから、同じ土俵で、その未来を形作る若人たちが、どう闘うか、その個性や違いや魅力が、比較的に表現されているはずで、これはもう「未来」が気になる人ならば、全員が全員観に行ってよいぐらいの企画だと思うんです。

だからぜひぜひ観に行って欲しい。

小劇場版「日本の問題」を十分楽しんでいただいた方も、不完全燃焼だった方も、最後の希望、「学生版 日本の問題」にぜひぜひ足をお運びください。

もし今あらゆることに絶望している、しそうになっている人がいるならば、「学生版 日本の問題」を見てからにしてください。「学生版 日本の問題」を見て、未来に希望が見いだせなかった場合にのみ、本気で絶望してください。

僕は信じています。

「若さ」こそが「絶望」を覆す力であると言うことを。

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学生版 日本の問題

http://nipponnomondai.net/students/index.html

学生版日本の問題CoRichページ

CoRichに「期待」のメッセージをぜひぜひお寄せください!

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