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2011/03/22

セ・リーグ開幕擁護論~芸能・エンタメ全般の覚悟~

開幕時期や節電などへの対応の仕方で、セ・リーグがメッチャ叩かれている。

セ・リーグを擁護するやつは100%いない状態だ。

そんななかで、あえて僕は反対の意見を言う。

あいまいな言い方だが「かならずしも」セ・リーグの判断が間違ってるとは言えないぜ。

みんな冷静になって欲しい。

自粛があくまで是とされるのは

自粛によって失われる「機会費用」が、自粛によって得られる「便益」を越えない場合だ。

では、自粛によって失われる「機会費用」とはなんだろうか。

野球の場合で言えば、「セ・リーグの開幕が人々にあたえる楽しみや勇気や希望」がそれだろう。

で、得られる「便益」とは、「節電等の手段によって確保された資源やエネルギー」であり、これをもう少しわかりやすく印象的に言うと「セ・リーグを開幕させたら停電などによって被害を受けるはずだった人が、受けないで済んだ被害額」ということになるだろうか。

で、自粛が「是」とされるのは

「セ・リーグの開幕が人々にあたえる楽しみや勇気や希望」<「セ・リーグの開幕によって受ける被害額」

となるような場合だけだ。

と、考えると、

これ、必ずしも、自粛が是であるのが自明ではないだろう。

なにより、セ・リーグを開幕させたらどれほどの停電被害が起きるのかさっぱりわからない。

ちゃんとしたデータに基づいて「セ・リーグ開幕を不謹慎、パ・リーグ素敵」と批判している人は少ないだろう。

皆のしている批判のほとんどが「こんな時期に不謹慎」という程度の感情論にすぎない。

皆を停電させても強行に意味があるほど「セ・リーグ開幕のメリット」が多ければ、それはむしろ世間の流れに逆行してでも開催すべきことなのだ。

とは言うモノの、被害だけでなく「セ・リーグ開幕のメリット」についても、どれほどのものか定量化している人はいない。

というかスポーツのメリットを定量化すること自体が難しい。

問題をややこしくしているのはここである。

つまり、全ての芸術・芸能・エンターテイメントに言える話だが、「セ・リーグの開幕(のみならず芸術・エンターテイメント全般)が人々にあたえる楽しみや勇気や希望」というやつを定量化するのは難しい。

難しいから、結果として、セ・リーグ開幕による停電被害(そんなのがあるのか知らないが)の方にばかり目が行ってしまい、結局、「セ・リーグけしからん」みたいなところに何の検証もなく行ってしまい「自粛」を「是」とする流れとなってしまう。

僕は当然、芸能に携わるものだから、芸術・芸能・エンターテイメントの力を信じている。

「衣食足りてエンターテイメント」とは思っていない。

むしろ衣食と並び…いや「衣食よりも「前」にエンターテイメント」とすら思っている。

被災地の、日本の、世界の子供たちに希望や生きる意味を与えられるのは僕らの携わる芸能やエンターテイメントの力だと思っている。

また死に際の人々に心の安らぎを与え痛みを忘れさせるのもエンターテイメントの力だと思っている。

この国難に際し、多くの人々が我を失っている。

多くの映画や芝居が延期されたり上映上演中止となっている。

それぞれの事情があり、それぞれがベストな判断を下しているのだと思いたい。

だが、作り手として、エンターテイメント側の人間として思うのは、みんなの電気を奪っても上映上演興行すべきものだと信じられるのなら、堂々と人非人とのそしりを受けても、自らの作品を世に出すべきである。

そういう覚悟のない物は上演する必要ない。自粛すればいいと思う。

「この時期ちょっと…」なんて作り手が思うようなものなら、やらない方が良いに決まっている。

だから、セ・リーグに望んだのは、世間を説得することである。

自分たちのスポーツをいま批判を乗り越えてもやることがどれだけ必要なのかを説得することである。

全員が納得するとは思えない。

思えないが、もしかしたら、そうかも、と思う人がでてきただろう。

一番最悪なのは、説得も何もせず、世間の風潮に流されて開幕を延期したりすることだ。

これは感情的な神様=大衆を助長することにしかならない。

「それみたことか」と、大衆は、国難ある時は、言論や行動を規制するのが当たり前と思い始めるだろう。

それを大衆に許せば戦前の道への逆戻りである。(戦争は軍部が起こしたのではない大衆が好んだのだ)

そう言う意味でも、僕ら不謹慎の徒は衆愚化の流れを止める防波堤にならないといけない。

「みなさんの電気を止めてでも僕らの演劇をさせてください。かならずや電気を止めてもやらせてみて良かったという作品を上演します」と言う。

すると、みんなは「しかたねえなあ、もし酷いモノ見せやがったらただじゃおかねえぜ(笑)」と言う。

僕らは頑張る。

皆は喜んだり、やらせてよかったと言ってくれたり、よくこんなの見せられるな電気返せと笑いながら僕らを小突いたりする。

そういう社会が僕は好きだなあ。

みんなはそういうのよりももっとギスギスしているほうがよいのかい?

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