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2011/01/31

青☆組「雨と猫といくつかの嘘」

ProjectBUNGAKUの同志である吉田小夏さん率いる青☆組の公演が始まった。

青☆組vol.14「雨と猫といくつかの嘘.」

同じくプロジェクト文学の同志である谷賢一氏が芸術監督を務めるアトリエ春風舎での公演である。

初日を観劇させていただいた。

内容についてはネタバレもあるので、あまり言わない。

が、小夏さんはほんとうに非の打ちどころのない芝居を作る人だ。

谷くんも広田くんも好きだけれど、どこか破けている感じがある。

まあそれが彼らの作品の魅力でもあり好きな所なのだが、小夏さんの作品には破れがない。

それから、超オンナ(笑)

女って怖い。

そのことに自覚的だから、なお怖い。

たしか女は怖い的なことも実際セリフにあった。

女と猫と雨は似ている。

女と猫と雨…それだけでもう怪談のにおいがする。

アフタートークでラストシーンの風太郎がどうなったかとの話があったが、僕は、映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のラストシーンを思い出した。

阿片窟でデ・ニーロが恍惚として幸福だった少年時代の夢を見る。

あのシーンをぼんやり思い出した。

だから「僕の解釈」では、風太郎のまわりで起こるすべてはぜんぶ夢なのだ。

老いて孤独な風太郎が見た美しいアルツハイマーの夢なのだ。

その美しく切ない虚実の堺のあいまいな世界を、演劇的手法を駆使して観客の目の前に匂いたつ現実として立ち上らせる。その吉田小夏の手腕と、役者たちの熟練を観に行くべきだと思う。

アトリエ春風舎は遠い。都心よりも気温が確実に3度低い(笑)

しかしその遠い道行きも、忘れ去った過去にさかのぼる時間と思えばこんなに楽しく愛おしい時間は無い。

僕はなんとなく独りで観に行って欲しいと思う。

もちろん誰かと連れだって観に行ってもいいが、独りで、自分の記憶をたどるようにしてあの世界にたどり着き、終演後はその世界をひっそりとカバンに詰めて持って帰る。

そういう個人的で大切ななにかを思い出させる全てが、小夏さんの芝居にはそろっている。

ぜひとも騙されたと思って…いや猫も女も化かすものだから、化かされたと思って、小竹向原まで足を運んでみてください。2月8日までやっています。

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