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2010/01/29

殺人時効撤廃報道の馬鹿

「殺人時効の撤廃」これに反対する人がいるだろうか?
それは「減税」に反対する人がいないのと同じだ。
だが「減税」は往々にして、財政赤字の垂れ流しという問題を生み出す。

■「殺人の時効」撤廃を提示、法務省が見直し案
(読売新聞 - 01月28日 21:15)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100128-00001001-yom-pol

この記事の欠点は「変更」の事実しか伝えていないことだ。

多くの人はミクロの視点しか持っていないから、「減税」報道への反応と一緒で、「殺人時効の撤廃」という響き、それだけでこれを歓迎する。 僕だって、何も考えなければ、それっていいんじゃない的な気分になる。

だが殺人時効が定められたのにはそれなりの理由があるはずで、それに変更が加えられるのは、それ相応の理由があるからで、しかし、それについては、詳細な吟味が加えられるべきで、だから結構な時間と費用を使って法制審議会はそれを検討している。

その議論の過程の要約、すくなくとも、こういう理由から殺人時効の撤廃を提案するに至った…の「こういう理由」を明示しない報道に報道の意味があるだろうか?

「殺人時効の撤廃」はマクロ経済的には負担増だ。この負担増が、技術進歩や、社会的合意によってカバーできるのかどうかが議論になるだろうが、そのことにこそ報道は触れるべきだろう。

でないと表面的な記事に「殺人時効撤廃さんせーい!」と軽々しく反応する馬鹿ばかりが増えることになる。

もちろん、法制審議会の議事録の原典(http://www.moj.go.jp/SHINGI/kouso_index.html)にあたれば、この報道に書かれていない部分についても知ることができる。が、多くの市民はそれをやる能力も時間もない。それを仲介業務としてやるのが報道の役割だろう。

ちゃんとした報道をすれば、新しい知見を得ることによって市民はより思慮深い反応をすることができる。それをちゃんとしないから、誰も新聞を読まなくなるのだ。

かように報道はとても重要な機能を担っていることに自覚的であってほしい。

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