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2010/01/16

アメリカのつぶやき

ハイチで地震があったのが日本時間にして13日のAM6:53であった。

翌14日のAM2:58(ワシントン13日昼12:58)にバラクオバマは次のようにツイートした。

”Today, our thoughts and prayers are with the people of Haiti. Learn about relief efforts and how you can help”

このツイートからおおよそ6時間後、14日のAM8:48、我が国の首相、鳩山由紀夫は次のようにツイートした。

「元日にツイッターを始めて、はやくも二週間。みなさんの声が以前よりも身近に聞こえるようになりました。多くの方々から多様なご意見をいただいております。本当にありがとうございます。」

米国の大統領と日本の首相の格の違い、何をかいわんやである。

ハイチで大量の犠牲者が出ているのに、全くのんきな日本国の首相の情けないツイートに、憤慨した僕を始め多くの日本人が、首相に抗議というか懇願というか、どうか一国の主としてまっとうなツイートをしてくださいとのツイートを大量に送った。なにより日本は地震大国である。ハイチへの思いをどの国よりも先に、そして強く述べていいはずの国である。

その結果かどうかはわからないが、同日PM5:29に日本国の首相は次のようにツイートする。

「ハイチの地震の甚大な被害を伝える映像に胸が痛みました。ハイチの皆さまに心からお見舞いを申し上げます。できるだけ早く立ち直って頂きたい。少しでもお役に立ちたい。その思いから、日本政府は緊急支援を決定しました。」

オバマに遅れること14時間。

こんだけの水をあけられたのだから、ツイートの中になにか「実際の対策」がもりこまれてないことにはメンツが立たん…ということなのだろう。緊急支援の決定ぶくみのツイートとなったのだろう。

しかし、オバマがすごいのは、とりあえず、即座に悲しみを発言したことだ。

実際に何かを決めるのは時間がかかる。それはアメリカでも日本でも同じこと。しかし、世界のリーダーとして、まず、「思い」を発信することがいかに重要かということである。

「つぶやく」という表現にとらわれて、ツイッターを軽視していると痛い目に会う。ツイッターはお気軽お手軽に見えるが(また事実そうだけども)、お気軽お手軽な分、不用意な発言を誘発しやすく、それは時に発言者の価値を大いに棄損することになる。ブログだって同じことだが、長文なぶん、自己チェックを入れやすい。

ツイッターは、たかが140文字なわけで、思った本音をピロリと投稿してしまいがちだ。今後政治家の軽々しいツイートによって、内閣総辞職・・・などあるかもしれない。十分考えられることだ。

本音を含め、ノーチェックでツイートする。個人はそれで大いにかまわないだろう。時に失言などするほうが人間的魅力があるというものだ。だが、一国のリーダーはどうだろうか。

オバマのつぶやきはオバマのつぶやきではない。アメリカのつぶやきである。慎重に戦略的につぶやかれている。そのつぶやきの一つ一つは確実にオバマの、そしてアメリカの価値を上げることのみに細心の注意が払われている。

オバマの140文字のツイートの裏で無数の官僚たちの、そしてブレーンたちのシステマティックなチェックがあることが想像に難くない。

可愛そうな大臣中川さんのG7での酔っぱらい会見の時にもそう思われたことだが、不容易な政治家の個人的発言が、国家の威信をぶち壊すことは大いにある。だから、そういうことが無いように個人を律する…のではなく、そういうことが起こらないように、システムを構築する、ということが大事なのだろうと思う。

あの酔っぱらい会見のような事故をいかに防ぐかを日本は考えたのだろうか。今回の鳩山さんのツイッターを見ても、日本は何も学んでないという思いを強くする。

たとえ自民党でも同じだろう。谷垣さんが首相でも同じようなヘボヘボツイートをするだろう。そして国家元首のツイートは国家の威信をかけたツイートであること、時によっては人を生かし殺すツイートであることを覚えていたほうがいいだろう。

日本は官僚が優秀だとか、官僚支配を脱却せよなどと言うが、起こっていることは全く逆だ。だめな国家元首がだめなツイートをするのを防げないで優秀な官僚などというのはちゃんちゃらおかしい。

国家を個人(政治家)の資質によらずに安定的に運営するシステムを日々運営するのが官僚であるが、これが機能していない。いま日本に必要なのは、「官僚支配からの脱却」などではなく、むしろ「優秀な官僚を作りだすこと」であり、「政治家をきちんとサポートする官僚システムをいち早く構築すること」だと思うが、いかがだろうか。

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