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2010/01/01

リーフェンシュタール監督「意志の勝利」

新年初日の本日、ふさわしい映画を見てきました。

レニ・リーフェンシュタール監督作品「意志の勝利」です。

1934年9月4日から1週間にわたり、ドイツ・バイエルン州の都市ニュルンベルクにおいて”意志の勝利”と題されたナチス・ドイツの大規模な党大会が行われた。その模様を記録したフィルムが、1935年公開の長編映画「意志の勝利」である。この作品は、前年に政権を獲得したナチ党の偉大なる力を全国民に示し、新首相アドルフ・ヒトラーのカリスマ性を広く知らしめ、国威発揚を促すためのプロパガンダ映画として製作された。監督を務めたのは、レニ・リーフェンシュタール。女優として人気を博し、のちに映画作家としても類い稀な力量を発揮した才媛である。(映画のパンフレットから)

この上映の宣伝には「この歴史を二度と繰り返してはならない」などとあり、ナチ=悪という観点からの宣伝がなされていますが、とんでもありません。むしろ、逆でこの映画を見ると、ナチに共鳴してしまいます(笑)

禁酒のために試飲した薬がもっとも酒のうまみを伝える美酒であったというような感じでしょうか。

ちゃんと歴史を勉強していない、印象による洗脳(とくに勝利者である連合国<United Nationsすなわち今の国連>の意向)で、僕らはナチスやヒトラーは恐ろしい悪魔のように思っていますが、ほんとうにそうなのかということです。僕は小学生のころからナチスとヒトラーに異常な興味を持っていて、小学校でも授業でナチスがなぜドイツを掌握したかについて、夏休みの研究発表で報告したりしていましたが、第一次世界大戦後の、賠償金により困窮したドイツは、言ってみれば、後進国のくせに、ちょっと頭が抜けたために、先進諸国からよってたかっていじめられた国で、言ってみれば、ヒトラーとナチスは、その不当にいじめられていたドイツ国民を救った救世主という位置づけになり、実際アウトバーンの建設など数々の先進的な経済政策により、不況にあえぐドイツを復興し、むしろ経済的に豊かにしたという実績もあり、これは国民から支持されて当然な勢力であったわけです。

宣伝相ゲッペルスの存在などにより、メディアを利用して政権を維持した先駆のように言われますが、もちろん、そのような側面があるにしろ、実質的に、国民を豊かにしなければ、いかに巧みに宣伝をしても国民の支持があるわけもなく、実際、この映画「意志の勝利」を見て思うのは、宣伝の勝利や戦略の勝利という小手先の勝利ではなく、それこそ、本当の意味において、ナチスの勝利は「意志の勝利」であったということです。

なんて書いていると、お前はナチスを支持するのかと言われそうなので、言っておけば、もちろん、ガス室のことなどを考えると支持はしません。が、当時ドイツにおいて、ナチスが救国の党として熱狂的に支持されたことをちゃんと正当に評価しないで、頭ごなしに否定するばかりでは、それこそ今後、ナチス的なるものが再登場したときに対応ができないと思うわけで、つまりナチスの善をちゃんと評価してこそ、ナチスの悪をふせぐことができるというのが僕の立場です。

実際、この映画「意志の勝利」をみると、ヒトラーを見つめる当時のドイツ国民の目の輝いていること輝いていること。

この映画を見て、女性監督リーフェンシュタールが只者じゃないと、はじまってすぐわかるわけですが、というのも、ヒトラーを正面から撮らない、後頭部から撮る。つまり、ヒトラーなめで、熱狂する国民を撮っているわけです。国民目線でヒトラーを撮っているわけではなく、ヒトラー目線で国民を撮っている。これすごい。ヒトラーの言葉や仕草を撮るよりも、ヒトラーの偉大さを100倍捉えている。つまり、演技するわけない何万という国民がみんな熱いまなざしでヒトラーを見ている。ヒトラーのカリスマ性を伝えるのにはヒトラーを撮るよりも国民を撮ったほうがいいというわけです。たとえて言うと、AV男優の指さばきを撮るよりも、AV女優の反応を見ているほうが、AV男優のテクニックの素晴らしさがわかるという・・・そんな感じ?

ストーリーがあるわけではないので112分という長さは正直長いけど、30台のカメラを使って撮影された本作品は、ドキュメンタリーと思えないほど、隅々まで演出がいきわたっている。偶然撮れちゃったものなんて何もない・・・そんな感じである。という意味において、映像の技術的にも、この作品が「教科書」と言われているのがよくわかる。

いろんな意味においてすごい映画であった。

DVDもあるようだが、もしよかったら、逃げようもない映画館で、この映画「意志の勝利」を見てほしい。時空を超えて、ヒトラーが観る者のこころをわしづかみにする。この映画はナチスドイツやヒトラーに対する考えを改めさせる契機になるだろう。

渋谷シアターNにて、1/15日まで。
http://www.theater-n.com/movie_isi.html

レニ・リーフェンシュタール: 意志の勝利 [DVD]
レニ・リーフェンシュタール: 意志の勝利 [DVD]
全てのクリエイターが、映像の教科書と認める禁断の映画。その整然たる映像美、卓越した演出法は海外でも高く評価され、1935年のヴェネツィア・ビエンナーレでは金メダル、1937年のパリ万博でもグランプリを獲得。観る者に善や悪を考える隙も与えない映像の圧倒的な力は、単なるプロパガンダ映画にはない高いクオリティを備えています。しかし、ナチズムによる第二次大戦勃発とその後の人類の危機に瀕するほどの世界的大戦禍により、本作は世界から封印されてしまいます。

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