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2009/11/26

11月戦争の真実

チラシにも書きましたが、今回、「11月戦争とその後の6ヶ月」という僕の芝居は、9月に逝去したわが父の死に際して見た父と母のむつまじい姿にみとれ、書いた話です。

その母が昨日観に来てくれました。

元学生運動の闘士であるハイカラな父と母は、生前、ずっと最近までも互いをナオ、マコと恋人のように呼んでいました。

今回の芝居の主人公の二人のナオとマコはそこから取ってあります。

あとナオの母親でアイというも出てくるんですが、これ本当です。

親父の母親の名前はアイ。

愛情の愛と書いてアイ。

ハイカラな名前ですね。

あと、ナオの浮気性なところ。

これも同じです(笑)

劇中、ナオ役の鈴木信二君が、マコ役の結花を「マコ」と呼ぶんですが、その声が、母には死んだ親父の声にそっくりに聞こえてびっくりしたそうです。昨日の公演だけは、父が降りてきたのかもしれないですね。母に感動してもらえたのがなによりうれしかったです。

以下、当日パンフレットに乗せている僕の文章です。

『初モグリ』

なんにでも頭を突っ込みモグリ込みたがる性格は子供のころから変わっていない。「芝居」なんて最たるもので、最初は、観ていて楽しいだけのものが、いつしか、生活を圧迫し生活そのものとなるほどに「芝居」に頭を突っ込みモグリ込んでしまっている。「番外公演」なんていうのもそうだ。自分の「公演」をするだけじゃ飽き足らずに、なかなか「公演」をうたない藤澤のケツをたたいたり、ボツになりかけた天才高校生のお芝居を上演したり、これまた他人の人生に頭を突っ込みモグリ込んでしまう悪い癖がでた。もちろん悪いことばかりではない。頭を突っ込みモグリ込むことで、モグリ込まないと分からない発見に出会うことができる。そういう意味で言うと、僕にとって決定的に大事なのは最初の「モグリ」である。それは幼稚園時代に、頭を突っ込みモグリ込んだ「机」の記憶だ。なんのためにモグリ込んだかは今となっては定かではない。スカートの中を覗くためだったかもしれないし、「机」の下に隠れて、探す親を驚かすためだったかもしれない。しれないが、とにもかくにも、僕は「机」の下に頭を突っ込みモグリ込んだわけである。ちなみに、その「机」は、学生運動をしていた結婚する前の父と母が使ってた「机」で、貧乏な我が家ではいまだにそのオンボロ「机」を使ってたわけであるが、その下にモグリ込んだ僕はとんでもない発見をしたのである。発見したのは……相合い傘である。そのボロい「机」の裏に描かれた小さな相合い傘。相合い傘には二人の名前が書いてあった。ナヲとマコ。それは学生運動の中でつきあいはじめた父と母の名前であった。とたんに、幼い僕の胸に、言い知れぬ幸福感が広がった。いつも浮気しただのなんだのと喧嘩をしている父と母。あの二人が、こうしてこっそり愛をハグくんでいる。もしかしたら今も。それを知ることは、なんだかこそばゆい、でも温かな、とてもうれしいことだった。頭を突っ込みモグリ込まなければ知りえなかった発見。それを見つけるドキドキは、僕の初モグリの記憶、幼き日に見たあの小さく可愛いらしい相合い傘につながっている。

松枝佳紀(主宰、『11 月戦争とその後の6 ヶ月』脚本・演出、『王国』演出)

プライベートな思いから始まったこの「11月戦争とその後の6ヶ月」という作品ですが、それにとどまらないものとしたつもりです。これから日曜日まで5公演あります。当日券もありますので、ぜひいらしてください。どこにでもある普通の愛が永遠の愛に昇華する。その瞬間を目撃していただければ幸いです。

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アロッタファジャイナ番外公演2009年冬
「11月戦争とその後の6ヶ月」
Omote2
■公演詳細については過去記事かCoRichをどうぞ。
(過去記事は)
(PCからコリッチは)
(携帯からコリッチは)
■チケットは次のフォームからどうぞ。(このフォームからチケットを購入された方は、もれなく当日、禁断のプチデジタル写真集(松枝盤)をプレゼントします)

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