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2009/03/21

ショーン・ペン監督「Into the Wild」

高校2年生の時の話になる。
大人になることは汚れることで、
ぼくは汚れることから
なんとかして逃がれたいと考えていた。

考えられる方法は、世を捨てることだった。

僕は雨合羽、ロープ、懐中電灯、ナイフ、釣り糸など
考えられる装備をリュックにつめると
○○山を目指して○○線に乗った。
なぜ○○山かと言うとそこから西に広がる
山の中は国土地理院の詳細地図をみても
道のない世界が何万キロ平方メートルも広がる
僕にとっては「前人未到」の地にほかならなかったからだ。

文明と一切かかわらずに生きていけるような自分になる。
それを想像することが僕を興奮させた。
その向こうには本当の生を捕まえた僕がいるはずだった。

山道を登る足取りは軽く
早々に3時ぐらいには、
もってきた詳細地図では道なき山林となっている
山の中に踏み入っていた。
行けるような気がする。
なんか行けるぜ俺。
走り出した先には川があった。
空を見上げる。
まだ暮れる気配はなかったが
暮れてからではおそい。
僕は食料を手に入れなければいけない。
川を覗けばたくさんの魚。
もってきた釣り糸が役立つ時だ。
興奮して準備するが餌がない。
なんか昆虫を探すがいない。
うむ次はナイフをもってそれっぽい木の枝を探す。
銛をつくって、魚を採る戦法。
枝をとがらせる。がぷかぷか浮くので無理。
やはり矢じりは重くないと。
それらしい石を探す。
割ってとがった部分を手に入れる。
うん。それらしい。
釣り糸で枝に縛りつけ銛の完成。
だがそんなことをしているうちに
日が暮れてきた。
・・・・
今日は飯は断念しよう。
と思ってるうちにパラパラと雨が降ってきた。
さっそく雨がっぱ活躍。
しかし寝床をどうかしないとだいぶ暗くなってきた。
山の宵は急激に暮れる。
魚をとるため悪戦苦闘した岩場をうろうろしていると
それらしい岩。
雨宿りができる。
その岩のすきまで一晩明かすことにしよう。
懐中電灯をつけたまま僕は
山登りの疲れもあってすぐに眠ってしまった。

夜中
声がする。
目を覚ます。
犬を連れた巡回警備のおじさんが
懐中電灯のあかりで僕を照らす。

「こんなとこで何してるの?台風きてるから、ここ水没するよ」

マジっすか。
おじさんにお礼を言うと僕は真っ暗な山の中を再び歩き始める。
しばらく歩くと○○神社に出る。
そこには宿坊があり宴会の明かりがもれていた。
ぐうっと腹の鳴る僕。
宿坊の裏に回るとそこは厨房、誰もいない。
悪いこととは思いつつも
ちょっとだけならと中に入る。
冷蔵庫から飲み物を頂戴。
(あとで飲んだら、焼酎を割るソーダで味がなくてまずかった)
・・・
そのまま中に入る。
いかにも泊っている人のようにふるまい
空いている部屋を見つける。
中に入る。
よし。
志的にはかなり妥協だけど
外は雨だし台風だし、
今日はここに寝させてもらうことにしよう。
とはいうものの、
なんかドロドロのまま布団を使うのも悪いな・・・
思うと部屋に荷物を置いて廊下に出る。
「温泉こちら」の表示。
・・・
温泉につかる僕。
気持ちよすぎる。
タダ風呂っていいなあ。
風呂から出たところで
宿坊の従業員と会うがいかにも泊り客のようにふるまい会釈。
むこうも笑って会釈。
ぜんぜんありじゃん。
そして部屋に戻ると布団のしまってある押入れの中で寝た。

朝起きると台風は通過しており
さわやかな空気。
見つかってはやばいから
さっさと出かける。
外に出る。
うん、十分冒険した。
家に帰ろう。
○○神社にお参りすると
ただ寝ただ風呂ただ食いごめんと謝り山を下りた。

・・・・

何が言いたいかと言うと
誰にでもそういうことはあるということ。

でも、
ショーン・ペン監督「Into the Wild」
こいつはすごい。
ぼくらの、そういう
ありがちな世捨て願望を徹底した人間を描く。
共感とそのむこうにある光。
書かれている事実のすごさだけでなく
それを冷徹に分解し再構成し映画にする
その作業がすごい。
決して何も起こっていないのに
最後まで息をつかせずに引っ張る。
撮影は
エミール・ハーシュ演じる主人公の人生の時間を順撮りで撮り
編集で構成をこのようにしたらしい。
編集の力がすごいということか。
それからメイキングの
エミール・ハーシュは幼く可愛いのに
映画の中のエミールはすごい。
これぞ役者だね。
必見です。

イントゥ・ザ・ワイルド@映画生活

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