他人事ではないNODAMAP初日
ついにNODAMAP新作「パイパー」初日です。
この作品はシスカンパニーから離れて、野田さんが本当にやりたいと思うものをやった作品でしょうから、どんなものになっているのか、期待大、楽しみです。
なによりもこの作品、わが劇団アロッタファジャイナ的には「特別な思い入れ」のある作品なのでなおさら期待大です。
なぜ僕らのような弱小劇団にとってこの作品が思い入れあるかと言うと、それは、「パイパー」の脚本構想ワークショップに、ウチの劇団から僕マツガエをはじめ5名が参加したからなんですが
そのときの記事↓
そもそもは、僕らが2007年8月の番外公演で満島ひかりちゃん主演で「農業少女」をやったことがきっかけでした。作者である野田秀樹さんがわざわざ見に来てくださったというびっくりなことがあって
そのときにもうすでに、野田さんは、シスカンパニーを離れることを決めておられて、そして「パイパー」の構想を話しておられました。
で、それから1ヵ月後、野田さんがワークショップをするからと、僕らに声がかかったのでした。
「パイパー」に出演もされている宮沢りえさんも加わったこのワークショップはとても刺激的でした。なによりも、野田さんの興味は人類。しかも
「1000年後、人類ってどうなっているか?」
でした。
で、ワークショップ何をするかと言うと、ワークショップに参加した僕ら劇団員5名と、池田ともゆきさんをはじめとする舞台美術家さん6名、そして宮沢りえさん、そして野田さんご本人、全13人が、2人ないしは3人ひとくみになって、東京中に散り、行く先々で想像をするのです。たとえば、浅草に行った組は、浅草の街路に立ち、「1000年後、ここはどうなっているのだろう?」と想像するのです。そして想像したことを、僕らアロッタのメンバーは、言葉でスケッチし、舞台美術家メンバーは、絵で書き記すわけです。
これはめちゃくちゃエキサイティングで奇妙な体験でした。
僕は1日目は「丸の内」、2日目は「信濃町」に行ったんですが、街路にたたずみ、想像力だけで時間のスピードをはやめ1000年後にタイムスリップするのです。すると奇妙なことに、自分が本当に1000年後のその場に立っている気がしてくる。いま栄えている場所はぼろぼろの廃墟になり、奇妙な動物のうごめく世界に、人類の気配すらしない砂漠地帯、あるいは見たことも無い亜熱帯の植物で覆われたアンコールワットのようなビル群・・・
夕方、東京中に散った僕らはシアターコクーンの楽屋に集まります。
そして、一日旅した成果を報告しあうのです。
そこでの野田さんの報告がスゴイ。報告自体がもう戯曲か小説のようになっている。1日目僕は気負いすぎて空周りの感があったのですが、一日目の野田さんの報告を聞いて、「ああそうか」と気付き、恥ずかしげも無く真似をする僕は二日目は本当に(想像力の世界で)目にするすべてをもらすまいと書き残したのでした。
実に興味深い体験で、想像力を働かせるだけで、こんなにも疲れるんだと、奇妙で気持ちの良い疲労感のなか、ワークショップは解散したのでした。
このときの僕らの報告なり想像力なりがどういう形で野田さんの頭脳を刺激したのか、あるいはしていないのか、それはわかりませんが、あのときに考えたことを、野田さんがどういうかたちで作品に着地させたのか。ものすごく興味があります。あのときに参加したみんなも同じはずです。で全員そろって見させていただく事になりました。見た後、みんなでどんな話をするのか、考えただけでも楽しみです。(僕自身はそのときに想像した人類の未来を「ルドンの黙示」という芝居で昨年表現したのですが)
そんな他人事ではない「パイパー」今日が初日。どんな芝居なんだろう。楽しみです。
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