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2008/05/02

番外公演の延長線上にあるもの

乃木組の稽古に足を運んだ。

アロッタファジャイナ乃木組単独公演

「対角線に浮かぶソネット」

作・演出:乃木太郎

ちなみに

これ、僕が監修をしている。

 

ところで

アロッタファジャイナには

劇団員を長とするグループ

「組」

がいくつかある。

 

ぼく松枝を長とする松枝組

藤澤よしはるを長とする藤澤組

新津勇樹を長とする新津組

青木ナナを長とする青木姉組

青木ナナの弟を長とする青木弟組

野木太郎あらため乃木太郎を長とする乃木組

・・・・

 

通常、劇団というのは

主宰の趣味趣向をありがたく受け戴くところだ。

だが、劇団員、それぞれ主宰というくびきを逃れ

思い思いの演劇を表現する・・・

そんな場があってもいいんじゃないか?

そういう思いから

このような・・・

組み分けして、それぞれのやりたい芝居をやる・・・

ということを昨年の夏から

「番外公演」

として、やっている。

 

これはかなり面白いアイディアで

なによりも

僕らの仲間が

多才で、面白い、

ということに僕ら自身が気づけたのは

この番外公演をやったことの一番の大きな収穫であった。

 

その一方で不満点もでてきた。

 

大きく2つの不満点を指摘できる。

まず一つは

各組の顧客の多くは他の組の作品を見ないということである。

つまり松枝組の顧客は松枝組だけを見、藤澤組や新津組をみない・・・という問題である。

やる側は沢山の多種多様な芝居を提供しているのに

その多様性も僕らが観客に提供している「おもしろさ」の一つだというのに

観客側がその多様性を楽しんでいないという問題である。

もう一つは

本来、劇団の旗揚げなら、それぞれ負担しなければいけない制作的な労苦を各組は負担しないでいい(なぜなら六組の制作をいままでの劇団制作がまとめて負担するから)・・・という問題である。

ちょっと聞くとこれは問題点というよりも

メリットであるように聞こえるかもしれない。

実際、そういう面もある。

だが、労苦を逃れて得るもの無しということもある。

つまり、苦労し自分たちの「劇」を立ち上げることで

得られるもの・・・これを手軽に手に入れようという考えは人を成長から遠ざける。

創作家がどこかに甘んじ成長しなくなる・・・これは作品の提供者として最悪な事態といわねばならない。

 

このような二つの問題を解決する方法として、今年、僕らが考えたのが、一つには「三つの組の連続公演」という方法と、もう一つには「一つの組の単独公演」という方法である。

「三つの組の連続公演」は、各組の顧客が強制的に他の2組を見せられることになる。

作り手である僕がいくら、藤澤組、新津組が面白いんだよ、と言っても、なかなかお客は僕の作品しか見てくれない。

じゃあ、三組連続講演にすればどうだ・・・というのが

先日までやっていた「笑い」のオムニバス公演ラフプレーというやつである。

実際、この効果はあり、いままで新津組のファンだった人が藤澤組を面白いと思い、松枝組のファンだった人が新津組を面白いと思い・・・ということがおきた。観客も、うちの劇団の「多様性」を楽しんでくれたわけである。

 

「一つの組の単独公演」は、これから公演となる乃木組の単独公演のことを示すが、これは、従来のアロッタの制作から離れて独自の制作体制をとっている。

従来劇団の旗揚げならやるであろう労苦を単独で背負っている。

それはどういうことかというと

具体的な費用負担として彼らに跳ね返ってくるということである。

すると、何が変わるか?

まず、より効果的な宣伝を打とうという努力をするようになる。

そして、今までよりも客を楽しませようという気持ち、リピーターを増やそうという気持ちが強くなる。

これまでの、自分のやりたいものをやるんだ・・・というだけの我がままな芸術家体制から、お客様に楽しんでもらうための「興行」としての体制に自然と切り替わることになる。

 

今回、乃木組の稽古場で

はじめて通し本読み稽古を見せてもらって、ぼくはその効果を確信した。

なぜなら

乃木組はこれまでの2公演よりもあきらかに面白い。

面白さがパワーアップしている。

いや、パワーアップというだけでは足りない。

質的な飛躍を遂げている。

それは魚類が陸上生物に変化するような

サルが二足歩行を始めるような・・・

そういう質的な変化・・・進化である。

単独で公演をする・・・面白くなければ顧客が集まらずにやばくなる・・・そいういう体制をとることが、作風の「進化」をもたらしたのである。

 

もちろん

まだまだ本番までつめなければいけないことが沢山ある。

だが、確実にいえるのは

乃木組はこれまでの乃木組を超えたものを提供する

そういう土台を作り上げた・・・ということである。

そして、今日その稽古を見た後

その土台を補強する有効なアイディアを

僕は監修として乃木に伝えることができた・・・と思っている。

5月16日から18日

参宮橋トランスミッション

で、その進化の答えが出される。

以前よりの乃木組を知っている人たちは

その脅威の進化の様子を実際見に来てほしい。

そしてまだ乃木組を知らない人は今体験してほしい。

そこには確実に可能性があり

多くの観客が見ることによって新しい未来を作り出す・・・その実現性が高まるはずだ。

詳細は以下のサイトで。

「対角線に浮かぶソネット」

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コメント

そうですね・・・そうですね・・・・・・

うひゃー、ハードルが、ハードルが上がっていきます(笑)

昨日は、ありがとうございました☆

投稿: その乃木組のタロウ | 2008/05/02 15:06

>観客側がその多様性を楽しんでいないという問題である。

それは完成度の問題とスターの存在の問題。
テレビ地上波でお気に入りのスターが出る番組を観る時代。

よほど好きな人しか劇場へ通いません。
モザイク無しのが生で見れるストリップすら、モザイク付きの怒涛のDVDに負け
パタパタ閉館している時代です。
流し目王子なんて話題を作りテレビにもでた大衆演劇。観客動員数は思惑通り増えたでしょうか?

俳優をテレビに売り込めば・・・
あの流し目王子すら、他のタレントとくらべれば、首が太いのが気になる田舎の兄ちゃん。
もし、他のタレントを押しのける存在感等があれば、舞台に帰ってこなくなる可能性が。。。

さらに、今の若い世代は学校でロクな教育を受けていないので教養が無く、自分の日常に
近い事にしか興味が無い。

演劇をやっている人にとって、今と言う時代は以前の時代とくらべたら相当厳しいのかもしれません。

>創作家がどこかに甘んじ成長しなくなる・・・これは作品の提供者として最悪な事態といわねばならない。
一般論としてのお題目としては意識しても、「俺は違う」と思われて小山の大将になる。
お山の大将でなければ劇団員を纏める事はできないでしょう。

CM作って動画サイトに乗せれば、カネかけずに宣伝できる時代です。でも動画観る人達に生舞台を
観る習慣はありません。
何もしなければジリ貧は確実。でも名にやるにしてもジレンマ。それを打破した人だけが後世に名が残ります。

投稿: satoyamao | 2008/05/09 08:54

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