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2006/08/19

三島由紀夫「憂國」

最近
めっちゃ朝早くにビデオとかDVD見るのが自分の中で流行ってる。
昨日はソダーバーグ「セックスと嘘とビデオテープ」
その前はコーエン兄弟「ミラーズクロッシング」
で今日は三島由紀夫「憂國」をついにみた。

・・・・・・・・・・!!!!!!!!

すばらしい。

三島自身の原作小説「憂國」とは違うけど
この素晴らしさには震えがくる。
28分の短編無声白黒映画。

何が違うかと言うと
リアリティだろうか。
徹底的に醜くリアルに描いた向こうに見える聖性。

すぐさま
別のビデオテープを取り出す。
五社英雄「人斬り」

これは三島の死の前年に公開になっている。
三島が薩摩の人斬り田中新兵衛役で出演している。
実在の田中新兵衛の最後の壮絶さは伝説であるが
このシーンの三島の演技は一年後の実際の切腹を
想像しうるようなリアリティをもって見るものに迫る。
他のシーンの三島演技の凡庸さに比して
この腹切演技の非凡なるリアリティには驚かされる。

つまりこういうことだ。

考え抜いた思考は画に非凡なるリアリティとして現れる。
結局演技とはそういうことだろうし
創作(偽物作り)とはそういうことなんだろうと思う。

市谷駐屯地の割腹こそは、
演技(創作物)が現実(実物)を超克しうることを証す
力強い予言なのだと思う。
僕ら作家はこの予言に鼓舞され
ドンキホーテのように現実に立ち向かうべきだということだ。

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コメント

興味深く拝見いたしました。
ご覧になった「憂国」とは
以前は償却処分されたと思われていて
去年、三島邸から発見されたというものでしょうか?
私は見ていないのでなんとも言えませんが
松枝さんのおっしゃる「非凡なるリアリティ」の輪郭が
読んでいてうっすらと浮かび上がる思いがありました。
去年藤原君が演じた「弱法師」を思い出しました。
初演と再演は観ていませんが
本当に不思議な体験をしました。
「非凡なるリアリティー」で
戦火に焼かれる東京の惨状をまざまざと見せつけるのですから。
公演後、座席から立ち上がれない人
夢遊病者のように
ふらふらと埼芸の坂道を下る人を何人も見ました。
私にとっても、突然異次元の世界に引きずり込まれ
またもとの世界に放り出されたような強烈な体験でした。
その日はドナルドキーンさんもいらっしゃっていましたが
果たしてどんな感想をお持ちになったのでしょうか・・・

投稿: お菊 | 2006/08/24 20:27

>お菊さん

お返事遅れてすみません。
ようやく〆切こなしたので
blogにもコメントできますw

>三島邸から発見されたというものでしょうか?

それです。
ぜひ見てみてください。
とても素晴らしいですよ。

藤原君の「弱法師」ほんと見たかったなあ。

投稿: まつがえ | 2006/09/03 23:36

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