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2006/04/23

なんだリンダ山下監督

昨日はようやくワークショップを覗きに行けた。
講師は映画『リンダリンダリンダ』の山下敦弘監督。

ワークショップの講師は木村さんと僕が連れてくる。
前回で言えば、金子監督は松枝枠。
望月監督、宮坂監督、熊切監督は木村枠。
今回はこの山下監督が松枝枠。
と言っても山下さんに面識があったわけではない。
山下組のスクリプター田口さんが知り合いだったので
そういったルートでお声をかけさせていただいた。

で、山下監督。
雰囲気は熊切監督と同種な感じ。
熊切さん山下さんは大阪芸術大学の先輩後輩。
熊切さんの『鬼畜大宴会』に山下さんはスタッフでついている。

で、山下監督。
エチュードと言うものをやる。

と言っても普通のエチュードとは違う。
前回ワークショップ熊切さんは典型的なエチュードをやった。

典型的エチュードとは
役者たちに初期設定を与えて
「ヨーイ、ハイ」の監督の掛け声で
あとはフリーに演技するというもの。
初期設定がどういう物語に皆を導くかは
神のみぞ知ると言うか役者に委ねられていると言うか
そういうのが普通言うエチュードと言う奴だ。

しかし山下監督のエチュードはこれとはかなり違う。

もちろん初期設定を与えるのは与えるのだが
その情報はわざと不完全にしか与えられない。

エチュードの途中で
しかるべきタイミングで
完全な情報が全員にではなく
監督が必要と思う役者にだけ伝えられるという
奇妙なエチュードなのである。

エチュードの風景としても異様で
テレビ番組のADのようにボードを持った山下監督が
そこに黒マジックで
「とにかくSEXで!」
とか例えば書いて、ターゲットとなる役者の目線の中に入る。

すると見せられた役者は、今までの話題が何でアレ、
話題を「とにかくSEX」な話題に切り替えなければいけない。
共演者はいきなり、その役者が話題を切り替えたので
素のリアクションで驚くし、
それを切り出した意味を素で探ろうとする。

通常のエチュードでは起こりえない。
なぜなら全部の情報は全員に等しく与えられているから。
ある役者が話を切り替えれば
(ああ、あっちの方向に話を持って行きたいんだな)
なんてことが分かって
同じ方向に話を持っていくように
共演者たちは努力する。
驚かねばならない場合は驚いた演技をする。
しかし山下方式のエチュードでは
共演者は演技でというよりも素で驚けるのだ。
役者たちも話がどこに持っていかれるのか分かってないし
見ている観客もどこに話が持っていかれるのだろうと
みていてひやひやスリリングである。

だからまとめると山下方式エチュードが面白いのは2つの点において。

まず、1つには、役者が演技ではない素のリアクションができると言うこと。
つまりニセモノでないものが見せられると言うこと。
監督が指示を出すボードはターゲットとなる役者にしか見えないので
他の役者にとっては意外な指示の場合、リアクションが素に近くなる。
そういう演技ではない部分のリアルな表情や反応が見られると言う面白さがあるというのが先ず第1点。

2つには、ボードでストーリーを制御できると言う点。
ふつうのエチュードではあくまで役者本位でストーリーは進んでいく。
良かれ悪しかれ役者の生理や想像力などの範囲内でのストーリー展開になる。
しかし、この山下監督方式でやると、話は役者の能力では到達し得ない想像し得ないドラマチックなものになったり奇想天外なものになったりする。
だから、ひとつのエチュードを終えてみると、うまく行った場合にかぎるが、
そのまま映画にしていいんじゃないかと言うほど、
かなりすごく完成された話になっていたりするのが驚く。
これは普通のエチュードではありえない。

などと文字で書かれても実際のすごさはきっと伝わらない。
見ないとあのすごさは分からない。
そんぐらい衝撃的な手法だと言っていい。
またアレをするのは並大抵の人間では出来ない。
即興でストーリーを組み立てられる山下監督の頭の回転のすばやさが無くてはあれはできないだろう。

そのすごさが見れた。
そのことだけでもワークショップに参加した意味があるような気もする。
更にすごいのは役者の中には山下監督の指示の意味を瞬時に理解してきっちり演じる能力の高い人がちゃんといることである。そして、上手く自分の個性を発揮すれば、山下監督のボードによる指示もその個性を生かしたものになっていき、よりおもしろいエチュードになる。 その一方で指示待ちなのがありありと分かってしまう役者もいれば、山下監督の意図を汲まずに自分勝手な演技をする役者もいる。 外から見ると、その違いが歴然として分かり役者の能力が分かってしまうというのも怖いと言うか面白いこと。

ワークショップ終わり打ち上げには
山下監督の先輩・・・熊切監督も現れた。
熊切さん、撮影終わったばかりの「フリージア」の編集があったらしく
竹原ピストルさんとスクリプター田口さんを同伴。
竹原さんは知る人ぞ知る「野狐禅(やこぜん)」というバンド(?)のボーカル。
めちゃくちゃ男まえな味のある歌。
熊切監督の「青春☆金属バット」(今年秋公開)では竹原さん主演し、挿入歌を歌っている。最新作「フリージア」にも出演している。
大石綾子が竹原さんの大ファンで偶然この日も野狐禅のTシャツを着てきていた。
宴が盛り上がった頃合の良いところで大石綾子を竹原さんの横に座らせる。
最初は緊張していた大石も竹原さんともりあがって
竹原さん熊切さん絶対6月の芝居を見に来てくれるとのこと。
うれしいし緊張する。
やばい脚本書かなきゃ。
2ページしか書いてません。

今日はワークショップ最終日。
望月六郎監督の登場である!

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