ひとまずの終わり
ついに『雨月物語』がクランクアップした。
感動的な終わりだった。
月蝕歌劇団のみんなに協力して作ってもらった撮影最終日。上がりの予定は夜中の2時だった。
脚本家だけでなくAPもやっている身としては、送りのバスやら何からをどうするのか非常な心配をしていた。
が、結果、11時には撮影はすべて終わった。
子役や月蝕歌劇団の美女たちを送り出した後、最終シーンの撮影。
残るは主演MMくんと、ヒロインのKTさんのシーン。
ほぼ順撮りに近いラストカットは、それぞれ単独のセリフ無しの表情芝居。
「ひとまずの終わり」に向け、たんたんと準備を続ける有能な映画スタッフたち。
気持ちを作るMMくん。KTさん。
僕はそんな状況になすすべもなくたたずみながら、僕脚本の初めてのTVドラマが幸福で透明な1つの純化された結晶になっていくのを目の当たりにした。
ガヤガヤ、テキパキと進められて来た撮影が、ラストカットでは急にシーンと静まり返る。すべての動きがゆっくりと緩慢になる。それはまるで、神聖な儀式でもあるかのようにオゴソカにしめやかにひとつづつ積み上げられた。
O監督の声が飛ぶ。
「よーい、スタート」
カチン
「・・・・・」
息を呑む。
「カット。OK、チェックお願いします」
「・・・・・」
息を呑む。
「チェック終わりました」
そしてすべてが終わった。
とは言うものの僕らスタッフにとりこれは前半戦。
近いうちに同じスタッフで、 新しき主演を向かえて、 短編ドラマ『破戒』の撮影がスタートする。
最初は「木村俊樹プロデューサー」にどやされて恐る恐るはじめたAPの仕事も、いまはなんだか楽しくて仕方がない。
すべてのスタッフの、意識の高いプロの仕事振りに感動し、そして、その一員でいられることはほんとうに幸運なことだと思う。
自分自身、まだまだやれることもやれていないが、あと残り少しでもチームに貢献できるように頑張りたいと思う、そんな松枝であった。
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コメント
ひとまず、おつかれさまです。
見る側としては「希望の党」、「雨月物語」、「破戒」、そして「神の左手...」と楽しみが続くのは嬉しい限りですわ。
投稿: 猫ぴ@もか組 | 2005/12/02 14:20
河瀬直美監督と飯田譲二監督の作品を
早速拝見いたしました。
我らが松枝さん&金子監督の作品が待ち遠しいっす…。
風邪の調子はどうすか?
ご多忙なようなのでくれぐれも
お体は大事になさってくださいませ。
ではでは
投稿: わたらい | 2005/12/02 18:20
>猫さん、ども。
さらにまだまだ増えますよ。
松枝ラインナップ!請うご期待♪
>わたらいさん!!!
初トラバ、コメントありがとうございます。
風邪は治りました。
初号試写楽しみですね。
行きますか?
ぼくはなんだか行けそうにありません。
また金子組忘年会でも企画しましょう!
投稿: まつがえ | 2005/12/03 10:44