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2005/04/27

ポツドール「愛の渦」

書こう書こう。思って時間が過ぎた作品が幾つもあり
いつもどこかしら強迫観念が。書かないと。
で仕事締め切りが明日あるにもかかわらず。
ポツドールの公演も明日までしかないし書きます。
みなさん見に行くべしです。
ポツドール「愛の渦」

とくに「演劇ってこんなもの」って
何か固定観念がある人は見に行ってください。

想定の範囲内か、想定外か。

とりあえず僕的にはポツドール初めてじゃないんで
想定内って言えば想定内なんだけど
彼らのチャレンジにはとても頭が下がります。

簡単に言うとポツドールの手法は
「平田オリザの方法論でエロをやる」
てことですね。

最近「良いエンターテイメントは哲学的である」ていう
キャンペーンをしているが、この作品も例外ではない。

自由であることの悲劇・・・なんていうと
かなり陳腐なのかもしれないけど
悲劇でもあり喜劇でもあり。
ブラウン運動を超顕微鏡で見ると・・・。

本谷さんの「乱暴と待機」と同じだなぁと思った。
本谷さんところで復讐する男と復讐されたがる女は
理由も忘れられた復讐、でもとびっきりの復讐という
「運命」につながれているわけだけれども
それは、もともと「運命」ではなく勘違いなんだ
ということがあって、
今の世の中なんでも自由になっちゃって
運命なんぞないんだけど
俺たちだけはとびっきりの復讐せねばならぬ
「運命」があるんだと思っていたけど
やっぱりそれはウソでした!みたいな男女の滑稽さというか
物悲しさがテーマ。

テーマっちゅうのもあれだけども。

一方、ポツドールは
運命なんてひとつも必要じゃないわ
と言い切って本能の赴くままに
突き進む性に奔放な男女の話で、
自由そのものの姿なんだけど
ちょっと気の利いた出会いや何かも
運命には昇華せずにいる
最後の別れ間際に
メール交換するぐらいの運命をも
与えてもらえない者たちの悲劇。
そして喜劇。
村上龍好きのカップル。
・・・運命がいまや陳腐でしかないことの象徴。
とは言うものの
朝日の中の物悲しさ。
自由であることのつらさ。

なによりストーリーにオチがないことがじれったい。

しかし、これはとってもおもしろい「じれったい」なのだ。

オチっていわばフィニッシュじゃん。
フィニッシュがないことで
だらだらと快楽は続いていく。
一番の快楽がハラキリ=「死」だとすると
フィニッシュでまじフィニッシュしちゃうからね。
人生がフィニッシュ。
だから微妙に頂点に達しない。
ああ、はがゆいって状態を続ける。
だから明日もやれる、みたいな。

この物語は、はがゆさに満ちている。

8人の男女は人を換えて
とっかえひっかえSEXしていくのだけど
例えば、こいつ最高!
って思ったら、まぁそれを「運命」と言ってもいいんだけど
そうおもったら、そこでランダムセックスの企みは終わるじゃん。
だから「運命」が芽生えそうな歯がゆい事態のまま
毎日別れが来る。

オチがこれかよ!・・・ていうはがゆさも戦略的。

それによって明日の欲望が担保される。
永久にセックスせざるを得ない不感症たちの物語。

つまり資本主義は
みんなを欲求不満にすることによってしか成立しないって事ですよ!

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コメント

TBありがとうございます。
ほんとポツドールらしい、裏切らない感じでしたね。
なんだかとてもリアルでもあり、とても物語的でもあり。
あるかもしれない・・と思う感じでした。

投稿: りか | 2005/04/27 10:44

りかさん、どうもです。
若手劇だんぽくなく
方法論が確立されてるポツドールですが
確立されているのに、次のもドキドキ見たくなる。
そんな劇団ですよね。ぼくもおすすめです。

投稿: 松枝 | 2005/04/28 07:55

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