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2005/03/17

那須語

企画開発段階における映画デビルマンの監督助手として
東映東京撮影所のスタッフルームに入って
デーモン白書を書いた・・・というようなことを以前書いている。

今から見ると
当然那須さんと最初ッから意気投合しているような書きぶりだが
実はそうではない。

誰もがそうであるように
最初の頃は那須さんの話す内容を理解するのが苦手だった。
独特の発声をするし、独特のバイアスをかけてしゃべる。
その後、一部のスタッフなんかとの意思の疎通が難しい局面があったのも
ひとつには那須さんの話を理解するのが難しかったから
というのもあるのだと思う。

ある日、監督助手の仕事を請けて
東映本社の近所の喫茶店でメインスタッフが集まり打ち合わせをした。
何の話をしたのか覚えていない。
しかし、この打ち合わせが終わったあと
那須さんと僕の2人で「デーモン白書」をどういう方向で作るかという
打ち合わせがあったのは覚えている。

前段階の打ち合わせが終わり
プロデューサーとかが帰ると
僕と那須さん二人が残された。

(うわぁ、この人の話、僕一人で解読できるかな?)

それが正直そのときの僕の気持ちだった。

このとき具体的に何を話したのかは忘れてしまった。
しかし、最初の不安をよそに
那須さんの言葉がすごく理解でき
これから作られるだろう映画デビルマンの世界観に
すごく興奮したのを覚えている。

ピンチランナー?
見たことないけどアイドル映画だろ?
デビルマンを撮るなら三池さんのほうが良いに決まっている。
そう思う原作デビルマンファンのひとりに過ぎなかった僕が
那須監督に傾倒するまず第一歩がこの日にあった。

このときにデーモン白書を書くに必要な書籍100冊のうち
70冊ぐらいが那須さんから示された。
そのラインナップからだけでも
那須さんの考えているデビルマンの方向性、
原作を超えるかもしれない実写版デビルマンの方向性
を読み取ることが出来た。

僕が興奮してきて那須さんのアイディアに
自分のアイディアを付け加えていく
那須さんの目指す映画が判らないとできない提案。
それが那須さんにもわかったのだと思う。
那須さんもたくさんしゃべり僕もたくさんしゃべった。

他人としゃべっていても
心が通じ合うって言う感じを抱くことはそうないが
那須さんの言葉を理解するということは
那須さんの言葉が判りにくいだけに
那須さんの「心」を理解することだったのだと思う。
だから、この日の僕は、そしてたぶん那須さんも
心が通じ合う相手がいたことを発見し喜んだんだと思う。
打ち合わせ前の不安がウソのようだった。

この日を機会に
僕は皆が難解と言う那須語がすらすらと判るようになった。

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