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2005/02/12

図説デーモン白書

ぼくが東映東京撮影所の
那須組スタッフルームに入って最初の仕事は
「図説デーモン白書」
なるものを完成させることでした。

そもそもこれがどんな目的でなされた仕事なのか。

まず那須監督が決めたデビルマン映画化の方向性は「実録」。

つまり、デビルマンには
神や悪魔やデーモンやなんかの言葉が出てきますが、
これを子供だましの絵空事としては描きたくない。
実際に存在するものとしてデーモンを描き
実際にあったこととして不動明の、牧村美樹の、人類の悲劇を描く。
それが那須監督の意思でした。

そういうアイディアを聞いたとき
なぜ僕が、10人のライター候補の中で監督助手に選ばれたのか
その理由が少しだけわかったような気がします。

それは僕が他の人たちよりも
デビルマンの映画化の方向性として
「リアル」
を打ち出していたからです。

漫画で悪魔を書くのはいいけど
実写化の場合はやっぱりそのウソが
リアルかどうかがすごく大事になる。
だからスパイダーマンでもハルクでも何でも
蜘蛛のDNAとか放射線による異常とか、
そういうところでリアルな世界観をつくろうとする。
マイノリティ・リポートでも
近未来を描くのに、スピルバーグ監督は
実際の学術関係者にレポートを書かせたらしい。
どんな未来がありうるかの。

たぶん映画を作るときに
如何にウソっぽくないかというのを考えるのは
思っている以上に重要な気がする。

映画は何でもリアルに映す。
作り物は作り物として映ってしまう。
舞台に関しては、非リアルに寛容な観客も、
映画に関しては不寛容。
想像力でリアルを足してくれない。
ちょっとしたことで、所詮作り話じゃんってそっぽ向かれる。

だから「実録」

デーモンという生命体を架空ではなく
実際にいるものとして考える。
科学的に実在しえる存在として考える。
人類とは別種族の知的生命体として考える。
単に別種族というだけではなく人類に先立って
地球に住んでいた先住知的生命体と考える。
そのような知的生命体が居たとき
どのような行動を取り、
どのような歴史を描いてきたのか、それを考える。
そっから実写デビルマンは始まる。

そう那須監督は考えたのであった。

で、生物学の本やら免疫学の本、進化論の本
悪魔関連の書籍から地球物理学の本
などなど読みました。100冊以上。

そして書いたのが
ぼく著「図説デーモン白書」です。

ハード編ソフト編がある。
ハード編は
デーモンの生物学的な側面についての解説
ソフト編は
デーモンの歴史的な側面についての解説
となっています。

ハード編難しいけど、頑張ったので読んでやってくださいっ。

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コメント

はじめまして。
ハード編、読みました。
(ソフト編は明日以降に・・・)

ものすごい詳細な設定があったんですね。本当にびっくりです。
100冊以上の本を読まれたということが、良く伝わってきました。
進化や合体、デーモンの生態の設定もそうですし、
まさかカロリーまで概算していたとは・・・。

「デーモンが合体する時のメカニズム」でのサバトの解釈や、
「どういう場合にデーモンの意識がのっとられるか。」での、
明がアモンの意識を乗っ取った理由なども、
なるほど~と感心しながら読みました。

投稿: koma | 2005/02/15 02:19

おー。これ面白いです、ハード編。
用語の定義集や、参考文献リストがついてると
もっと楽しく読めそうです。
現役の化学者としては、突っ込まないとあかんとこもあるんでしょうけど....。

投稿: 猫ぴ@朋加組 | 2005/02/15 11:31

komaさん、猫ぴさん、
コメントありがとうございます。
陽の目を見なかった力作を読んでいただけて
ほんと涙が出ます(笑)。
ありがとうございます。

これがどう映画に反映しているのか
いないのかということについては
おいおい書いていきますので
たのしみに?していてください。
ていうか圧力かかってこないか心配です・・・。
自分で書きながら。

ちなみに猫さん。
ぼくは現役の学者に読んでもらっても
?っていうのがないようにしたつもりです。
ぜひ突っ込みどころさがしてください。
と挑戦状(笑)

笑い話ですが
僕はこれを自分で書いて
デーモンの存在を逆に信じちゃいましたから。
きっと意思的な進化ってあると思うんですよね。
今西進化論みたいなやつですかね。

投稿: 松枝 | 2005/02/15 18:14

うーん、地底でっていうのが、まず??です。
のちのち自己複製できるようなものに分子が進化していくには、アミノ酸みたいなものが最初にできてくれんとこまるとおもうのです。(炭化水素系では複製するひっかかりがなさすぎるような...)そういうもんの生成に圧倒的に水分子の少ない場所で、たかが数千〜数万度の熱エネルギーで足りるんかなぁと。
参考にされた文献あれば、読んでみたいです。

確率的にL-体と同確率でできてきても不思議じゃないアミノ酸のD−体でできた生体システムとかもおもろいなぁとか....いろんな想像がひろがります、これ読んでると、楽しっ(^^)

投稿: 猫ぴ@朋加組 | 2005/02/16 10:00

アーキアンパーク計画とか地底高熱生物圏ていう言葉をググってみてください。原始生命は、太陽からよりも地核の熱からエネルギーを得ていたと思うのです。だから原始生命であるデーモンは太陽=神よりも地底=悪魔を尊敬する風な宗教的観念哲学的概念を持ったと思うのです。地球環境が安定していない時期において、地上は生命が発生し得ない。地中が一番環境が安定的だったはずです。その中の強いものが、海ができた時点で海中にバッと飛び出してきた。そして大繁殖した。てことだと思います。ちなみに地底というと人間にとっては確かに窮屈な場所ですが、微生物にとっては、スカスカの大広間みたいなところで、しかも季節も何も関係なく温度が一定で、とてもすみやすい、まさに生命の母体であったと思うわけです。

投稿: 松枝 | 2005/02/16 21:17

ググってみました。ふむふむ。
おもろいですな。最初のアミノ酸合成の件はまだ証拠があがってないのかな。
固体表面でのアミノ酸合成なぁ....キラリティーの起源にも迫る可能性があるなぁ、ほおほお....(と、こんなとこから、メシの種を探そうとしている猫なのでありました...笑)

投稿: 猫ぴ@朋加組 | 2005/02/17 10:03

猫さん!新論文書いてください。
でスペシャルサンクスとかで名前!
よくばり?

投稿: 松枝 | 2005/02/17 10:11

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