映画監督那須博之のこと
僕の師匠は那須博之である。
いまや悪名高き、あの東映デビルマンの監督と言えば、たくさんの人が分かるだろう。
デビルマンという映画は、僕と師匠の出会いのきっかけでもあるし、
メンバーが数人しかいない企画開発段階からかかわった映画でもあるし
また、原作の永井豪デビルマンと言う作品が、
僕の肉体の中心で真実を叫ぶと言うとてつもない思い入れのある作品であったこともあるし、
さらに、映画としては僕がはじめて製作にかかわった映画でもあるし・・・
とても何かを割り切って冷静に口に出せるような映画ではない。
しかし、今もっても思い出せるのは、
デビルマンの実写化にかかわることができると決まった時の興奮と喜び、
初めて映画の作り手側にたったときの戸惑いと
寝る時間を削っても、またヘトヘトに疲れても楽しくて仕方の無かった毎日、
那須さんと誰より深く接する機会を持った僕は
那須さんの言葉とイメージ、人柄に魅了され、
映画デビルマンがどんなにすばらしい映画になるかを夢想し・・・
しかし、考えられないほど毎日のように起こるゴタゴタ
脚本や製作体制をめぐる・・・そのなかで結局自分もバラされてしまい・・・・・・
できあがりについては、正直、原作の熱烈なファンとして、とても不満がある。
そしてその責任は、まず師匠の那須さんにある、形式として、それは紛れも無い。
だが、僕は、天皇の戦争責任について思いを致す。
元首であるからには、責任はあろう。形式として。
しかし、間近で見ており、もっとも元首に近い位置に居た人間として
すべてを形式論だけで語るのは逃げだろうし、なにか真実でない、そういう感じがぬぐえないのだ。
だから、保身の気持ちの許す枠内で、ぼくの見たことを話そうと思う。
師匠の那須とこれからも仕事を続けていく人間として
そして映画や芝居というエンターテイメントを生業として生きていこうとする人間として
このことにまともに向き合わなくてはならない、とそう思うからだ。
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