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2004/12/04

松尾スズキ監督「恋の門」

トラックバックってなんですか?
よくわからないんですが、CODE71さんがしてくれたので、
僕も真似してみました。(その前にミッチもしてるけどね)
で、表題の松尾スズキ監督「恋の門」です。
CODE71さんは

めっちゃめちゃ面白かったです!!!
ってことらしいですが、
僕にとっての「恋の門」はびみょーでした。
もちろん、松尾臭漂いって感じで、
いいといえばいいです。わるくない。
松田龍平さん、酒井若菜さん、すばらしいです。
が、なんちゅうか、中盤、とろかった・・・と思う。
僕がハリウッドに飼いならされてるからかもしれないけど
門が恋乃から、
恋乃が門から、
ちょいと離れてうだうだするあたり
もう少しすっきりして欲しいというのが感想。
あのごちゃごちゃ感が演劇的っていう声もあるのだろうけど
でも、あそこんところをもう少しすっきりしてほしかった。僕的には。
もちろん
目的に突き進む2人に、なんらかの障害があり、
目的をあきらめかける、それでも最後には目的に向かって・・・・
ってストーリーの流れは定番だし、それはOK。
OKだが、しかし、あそこで物語の流れが止まってしまった感がある。
もともと(現代の)恋愛なんてぬるいもんだし、切実さなんてないから、
その流れを止めちゃうと、
物語にがんばってついて来た観客は、ふと、
なんでオレここにいるの?となってしまうからじゃないだろうか。
二人が分かれてしまうことにあまり痛みがない。
いいんじゃない?もっと良い相手がきっといるさ。
そう思えてしまう。
思えてしまうとその後の恋乃と門がうだうだしているのは
本当にうだうだしているだけで、戻るのさえ軽くて
そのうちまた離れるだろうし、で?みたいな気になる。

中盤、自分の目的に疑問をもって彷徨する。
それはあっていいし、むしろ物語として必要なんだろう。
しかし、それに耐えうる切実な引張りがそれまでに仕掛けられていないといけないのだと思う。

僕の好きな映画に、マーティン・スコセッシ監督「最後の誘惑」がある。
キリストがゴルゴダの丘の上で救世主として命を全うしようという時に
その痛みや苦しみから逃れるために、ふと自分が救世主ではない世界を想像してしまう。
救世主の痛みと責任から逃れ、ヌルク幸せな一市民として暮らす夢をみる。
ああ、こんな生き方がしたかったのかも・・そうキリストが思って堕落する瞬間
いや、やっぱりオレは一身に救世主の痛みを引き受けねばならぬのだ、
とキリストは気付きそのヌルク平和な夢を捨て、
痛みと血と苦しみのゴルゴダの丘へともどってくる。

ここにも目的の中断と挫折がある。
だが恋乃と門の中断と違って「最後の誘惑」のキリストの中断には切実さがある。
観客は、「ああ、キリストがどっかにいってしまう!」と手に汗握る。
だから中断が、単なる中断ではなくてサスペンスになる。
人間キリストは「最後の誘惑」を断つことができるのかどうかと。
だからダレない。
恋乃と門の恋の中断は「そんなこともあるだろさ」
みたいなレベルでこちら側に受け止められる。
だからダレている。と思う。
観客の気持ちを、後半戦につなぐのは
「せっかく1800円払ったんだから最後まで見てみよう」
という気持ちか
「おお、松尾スズキ的こだわりがここにも!」
というファン心理か
「小島聖って・・・」「三池さん・・・」「えもじゅん・・・」
みたいな感じになってしまう。
いずれにせよ残念なかんじである。

もちろん、現代的な恋の様相を描いているのだから
切実さなんてウソっぽいものは描かない。
そういう意味で、ダレテイルのは狙いですらある。
と言うことはできると思う。

が、そんなもの「狙ってどうする」ということだと思う。
松尾スズキさんが静かな芝居とかに敵対?しているのは
「そんなこと書いてどうすんの?」
みたいな所だと思うけど、そういう意味では同じ。
だから、きっと現代的なごちゃごちゃとした装いの中で
いろんなものがフェイクになっていく時代の中で
それでも存在する恋の切実さ。
それを描こうとしたのが「恋の門」だと思う。
だとすると、やっぱり、その切実さが僕に伝わるには
前半の描写が弱かったのだと思う。

すんません偉そうですね。
あくまで個人的な感想ということで。
自分を棚に上げてます。お許しを。

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コメント

はじめまして、突然トラックバックをした
CODE71のnaomiと申します
ご挨拶もなく、しかもマツガエ様の事も全然存じ上げず
勝手してしまい申し訳ありませんでした

私も最近blog始めたばっかりで、ここ最近
ポツポツと他の方々から、トラックバックをして頂き
「トラックバックって何?」と調べたら

自分の書いた内容と、同系のblog記事があれば
その記事に自分の記事へのリンクを貼る事が出来
自分の記事も読んで貰う事が出来る

とゆう様な機能の様です(って変な日本語ですね)

マツガエ様の『ハウルの動く城』記事を読んで
私と似た感想をお持ちだったので、ちょっと嬉しくなってしまい
初めて自分からトラックバックをしてみました

>『恋の門』感想
興味深く拝見させて頂きました
『最後の誘惑』とゆう映画、観た事無いので
ちょっと観てみたくなりました

投稿: naomi | 2004/12/05 03:41

CODE71のnaomiさん、
コメントどうもありがとうございます。
トラックバックしていただいて
CODE71さんのブログを知って
なんだか野田マップとか好きなところ重なるところもあって
楽しく読ませてもらっています。
恋の門については僕的には面白かった作品に入ります。
でも、あえて言ってみたって感じです。
すみません。
で、「最後の誘惑」面白いですよ。
ぜひ見たら感想お聞かせください!

投稿: 松枝佳紀 | 2004/12/05 04:02

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